特定技能に指定されている分野では、外国人を雇用することで人手不足を補うことができます。さらに、特定技能外国人の多くは20代の若い労働者です。たとえば、国際厚生事業団が発表したデータによれば、介護分野の特定技能外国人の約70％が18〜29歳です。これにより、人手不足の解消だけでなく、若手人材の採用も可能になります。

特定技能の在留資格を取得するためには、外国人が各分野で定められた技能水準試験に合格する必要があります。この試験では、採用後すぐに活躍できるために必要な知識や技術が問われます。2022年2月に行われた製造分野の技能試験では、合格率がジャンルに関係なくおおむね20％以下でした。これは、技能水準試験のレベルが高く、合格者の知識や技術が確かなものであることを示しています。

特定技能を取得するには、技能水準試験に加えて「日本語能力試験」にも合格する必要があります。この試験では、「N4」レベル以上、つまり「日常的によくある文章を理解でき、ややゆっくりの会話であれば理解できる」ことが求められます。このため、初歩的な日本語を教える必要がなく、コミュニケーションが取りやすく、職場になじみやすいでしょう。

特定技能外国人は必ずしも海外に住んでいる人材を採用する必要はありません。技能実習を修了した外国人を特定技能として雇用したり、すでに雇っている技能実習生に在留資格を変更してもらったりすることができます。ただし、その場合でも、外国人本人が特定技能の在留資格取得の要件を満たしている必要があります。現在着用している実習生に実習終了後、在留資格を変更してもらって継続雇用することも出来ます。条件により技能実習から特定技能に移行する場合、技能実習を「良好に修了」することで、技能試験と日本語試験が免除されます。